「マインドフルネスとは?」
「マインドフルネス瞑想は効果がある?」
「継続するコツは?」
マインドフルネスという言葉や瞑想に興味を持っているけど、「マインドフルネスって意味ないのでは?」と考えて、なかなか始められない、習慣化できない方も多いのではないでしょうか。
実はマインドフルネスが意味ないは嘘なんです!
近年、GoogleやAppleといった、名だたる企業がトレーニングで取り入れて以来、日本にもじわじわと浸透。
TOYOTAやメルカリといった日本の企業でもマインドフルネスに基づいた研修が続々と導入されています。
科学的に効果も証明されてきていて、ますますやらない理由が見つかりません。
そこでこの記事では以下の内容を解説していきます。
- マインドフルネスとは?
- マインドフルネスは意味がないに無いと感じる原因
- マインドフルネスは脳の構造自体を変化させる
- 習慣化のコツ
マインドフルネスは怪しいし意味ないと感じ、始めるのをためらっている人、現在取り組んでるけど、効果が分からない人にもおすすめの内容になっています。
ぜひこの記事でマインドフルネスの理解を深め、マインドフルネスを生活の一部として取り入れてみましょう。
マインドフルネスとは?
「マインドフルネス」という言葉はもともと仏教用語でパーリ語「サティ」の英訳です。
日本語では「気づき」などと訳されます。
マインドフルネスは「今、この瞬間に意識を集中させている状態」のこと。
今という瞬間に集中し、自分が何をしているかに気づく。
気づいたことに対して良い、悪いの判断を下さず、あるがままにその物事をとらえることがマインドフルネスの状態といえます。
マインドフルネスが意味ないと感じる原因3選
マインドフルネスが意味ないと感じてしまうのはどうしてなのでしょう?
その理由は次の3つが挙げられます。
- 怪しいと思ってしまう
- マインドフルネスがストレスになる
- 継続できないことで効果を感じられない
それぞれ詳しく解説します。
1.怪しいと思ってしまう
マインドフルネスの起源は、仏教が伝えてきた禅の瞑想法です。
そのため、マインドフルネスをよく理解していないと「宗教めいている」「怪しい」と感じてしまうこともあるでしょう。
今、会社の研修や教育現場に導入されているマインドフルネスのプログラムでは、宗教要素は排除。
科学的に裏付けられたトレーニングとなって広がっています。
2.マインドフルネスがストレスになる
瞑想をしないと落ち着かない、不安になる等、効果を期待しすぎて無理をしてしまう場合、かえってストレスになったり、現実逃避してしまったりする場合も。
リラックスやストレス解消するためにやっているつもりが、逆にストレスを生んでしまっては本末転倒です。
マインドフルネスに疲れたら、1度思い切ってやめてみましょう。
ヨガやウォーキングなど、身体を動かしながら呼吸に集中するなど、やり方を変えてみるのも気分転換になります。
3.継続できないことで効果を感じられない
マインドフルネスの効果を実感できるまでには3週間から2ヶ月かかるとする研究が多いです。
また、効果が出るまでの期間は個人差によるところも大きいため、効果を実感する前にやめてしまう人も。
マインドフルネスは筋トレと同じで、継続し習慣化することが大切です。
まずは1日1分だけでもいいので、呼吸に意識を集中する時間をつくってみましょう。
継続できずにさぼってしまっても、今まで練習してきたことはゼロには戻りません。
いつでも再開できるということを覚えておくといいでしょう。
マインドフルネスは意味ないは嘘!脳の構造を変化させる
マインドフルネスが「意味がない」「怪しい」というのは古い考え。
近年ではマインドフルネス瞑想によって脳の一時的な働きだけでなく、脳の構造そのものを変化させ、効果が得られるという科学的根拠が示されてきています。
下記にマインドフルネス実践による具体的な脳の変化と、それによる効果をまとめました。
<瞑想による具体的な脳の変化と効果>
脳の部位 | 役割 | 脳の変化 | 効果 |
---|---|---|---|
扁桃体 | 感情を引き起こす(怒り・ 不安など) | 灰白質の密度が減少 | ・集中力の向上 ・ストレス下でも平静を維持 |
前帯状皮質(ACC) | 自己制御力 自律的機能、認知機能に関与 | 活発になる | ・感情や反射的な行動を抑え、理性的で臨機応変な対応 |
海馬 | 短期的記憶や情報の制御 | 灰白質の量の増加 | ・記憶力の向上 ・作業効率、判断力の向上 |
島皮質 | 脳内の「ハブ(中継基地)」 脳の協調性を保つ | 島皮質の肥大 | ・感情的な状態から理性的に |
マインドフルネス瞑想の実践は筋トレと同じです。
トレーニング(瞑想)を繰り返し実践することで、脳の血流がよくなり、活性化され、低下していた機能が回復。
例えば怒りや不安などの感情を司る原始的な脳の部位、扁桃体においては、マインドフルネス瞑想の実践によって灰白質の密度が減少。
つまり、ストレス反応を助長する扁桃体の働きが弱まり、怒りやストレスを感じにくい脳に構造が変化したと言えます。
マインドフルネスの効果3選
マインドフルネスの効果は、脳科学的にも根拠があることが分かりました。
マインドフルネスの実践によって得られる、代表的な効果を下記の3つをご紹介します。
- 集中力を高め、仕事などの生産性が向上する
- 不安・ストレスが軽減され、感情のコントロールができるようになる
- 睡眠の質が上がる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.集中力を高め、仕事などの生産性が向上する
習慣的にマインドフルを実践する人は、相対的に集中力が高い傾向にあります。
瞑想トレーニングでのプロセスで心が鍛えられ、集中する状態が長続きするようになるためです。
瞑想のトレーニングの流れは以下の通りです。
- 集中する
- 集中が途切れたことに気づく
- 集中にもどる
集中力がアップすることで、仕事や学習の効率がアップし、より良いパフォーマンスをあげることが可能です。
2.不安・ストレスが軽減され、感情のコントロールができる
瞑想を実践する人たちの扁桃体は、攻撃性が比較的弱いことが分かっています。
つまり、扁桃体の働きが抑えられているということ。
過剰なストレスや不安を感じにくくなり、ストレスの多い出来事からも早く回復できます。
また、瞑想の習慣化で心の知能指数(EQ)も向上。
呼吸や身体を観察する練習で気づく力が高まった結果、自分の感情や思考を客観的に自覚でき、感情に巻き込まれることなく、より冷静な対応・判断ができるようになります。
3.睡眠の質が上がる
マインドフルネスでは、呼吸に集中するトレーニングが基本です。
呼吸に集中しそれを調えることで、交感神経と副交感神経のバランスが整ってきます。
交感神経と副交感神経のバランスが安定することで、不安やストレスが減り深い睡眠につながるということです。
睡眠の質をあげるには、就寝前の瞑想がより効果的。
1日にあった出来事をリセットでき、自然と眠りにつきやすくなります。
マインドフルネスを継続するコツ5つ
マインドフルネスを実践するには、1日10分くらいから始めて、最終的に20分くらいまでできるようにするとよいでしょう。
そして長期間継続=習慣化することがより効果的です。
以下、簡単にできるマインドフルネス継続のコツを紹介します。
- はじめは短い時間からとハードルを下げる
- 普段の時と時間がない時のパターンをつくる
- 時間と場所を固定して、ルーティン化する
- 「できなくて当たり前」ということを知る
- レッスンやオンラインコミュニティに参加する
はじめは短い時間からとハードルを下げる
1日1分からでもいいので、まずは始めて見ることが大切。
1日1分呼吸に集中し、マインドフルネスな状態になるだけでも、スッキリとしてストレスが軽減されていきます。
慣れてきたら少しずつ時間を伸ばしていけばいいでしょう。
YouTubeでも「瞑想5分」などと検索すると、多くの動画がヒットします。
お気に入りの動画をガイドにして、気軽に試してみましょう。
普段の時と時間がない時のパターンをつくる
瞑想を始めてみたけど、忙しく時間がない時は中断してしまう場合もありますよね。
対策としては、通常と時間がない時のパターンを両方作っておきましょう。
例えば、
実践パターン | 瞑想を行うタイミング | |
---|---|---|
パターン1 | 普段 | 決まった時間に10〜20分 |
パターン2 | 忙しい時 | ・3分間だけする ・仕事中のタスク切替時に5呼吸だけ集中 ・通勤時などの1分間 |
はじめからパターンをいくつか用意しておき、その時の状況に応じたパターンを実践してみましょう。
形は違っても、継続して取り組んでいるという自信にもつながります。
時間と場所を固定して、ルーティン化する
時間と場所を決めるのも、継続には重要です。
タイミング(いつ、どこで)ということを具体的に決めましょう。
たとえば、私の場合は朝起きてストレッチが習慣となっていたので、以下のタイミングと場所で瞑想を行うようにしました。
- 朝ストレッチ終了後(いつ)
- リビングで(どこで)
「朝起きたらすぐ」「布団の上で」などもハードルが下がってよさそうです。
普段の習慣と結びつけ、行動をするタイミングを事前に決めておくのが大切です。
マインドフルネス瞑想におすすめの時間は早朝。
家族がおきてくる前の静かで落ち着いた空間で集中できるでしょう。
ただ、ライフスタイルによっても違いがあるので、自分なりに続けやすいタイミングを見つけてみましょう。
「できなくて当たり前」ということを知る
「瞑想=無にならなければいけない」という誤解をしている人も多いかもしれません。
マインドフルネスの目的は「今、この瞬間に意識を集中させる」こと。
「マインドフルネス=意識を無にする」ではありません。
瞑想をはじめたら、まず意識を今の自分の身体の状態や呼吸に集中。
瞑想中、次々と雑念や浮かび、呼吸に意識を集中していたはずが、いつの間にか別のことを考えたりしてしまうでしょう。
雑念が浮かぶのは、当然のことなので、それを否定せずに雑念が浮かんだことに「気づく」。
気づいたらまた呼吸に意識を戻すということを繰り返すことで、脳が活性化されます。
「雑念が浮かんだらダメ」と否定する必要はないのです。
レッスンやオンラインコミュニティに参加する
簡単に継続できそうなコツを紹介してきましたが、それでも「1人ではついサボってしまいそう」という方は、マインドフルネスのレッスンやコミュニティに参加するのもおすすめです。
レッスンやコミュニティに入るメリットは2つ。
- 強制的に特定の日と時間がきまる。
- 参加者と一緒にモチベーションを高めあえる。
レッスンやコミュニティでの活動は、講師や他の参加者と日時を合わせる必要があります。
いい意味で強制的となり、習慣化しやすいのが利点。
また、講師や参加者との情報交換、悩んだ時にアドバイスをもらうなど、モチベーションの維持にも効果的です。
近年ではオンラインでの活動が主流となっています。
場所は問わないため、あとは時間だけ自分のライフスタイルにあった場所に参加して、マインドフルネスを継続してみましょう。
1人では見つけられなかった新しい発見があるかもしれません。